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何だか気持ちいい! マツダの提案する「統一感のある走り」と「G-Gダイアグラム」

投稿日:2011年08月25日

最新型のプレマシー、デミオでは、これまでのいわゆる「スポーティ」な味付けから、「走る・曲がる・止まる」の走りの「統一感」を目指したものに変えてきているとされています。fish1
個人的にも初めて、新型デミオに乗ってみて「あれ。何か気持ちいいぞ・・」と感じてニヤニヤしてしまったので、マツダが提案している「統一感」のある走りとは、具体的にどういうものか公開されている資料から少し調べてみました。

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まずは、ヨーロッパのブランド・キャンペーンで使用されているビデオのご紹介です。
解説して下さるのは、マツダのエンジニアの方です。
車のダイナミックスには「走る・曲がる・止まる」の三つの要素があるんだそうです。

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良い車というのは、この「走る・曲がる・止まる」がスムーズな車。つまり運転中に「Gのつながりがスムーズ」である。という考えを採用しているそうです。
例えば、ダッシュボードに水の入ったペットボトルを載せて走ったときに、車の挙動によってその水面がスムーズな円を描くような車が良い車だと言います。

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運転中のGの動きというのをこんな風にトレースして分析しているそうです。
スムーズなGのつながりが、酔いにくくて、気持ちいい運動と感じるんだそうです。

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これはCMのためにやっているのかもしれませんが、こんな風にダッシュボードにビーカーを載せると視覚的にもGの動きがわかってわかりやすいですね。

またGのつながりをスムーズにする事で、運転中の首への負担が減る。という効果もあるそうです。

動画の全編は以下からご覧になれます。

もちろんこのGのつながりをスムーズにできるか。というのはドライバーの技術にもかかってくるのですが、ドライバーを固定して実験してみた所、車両側の特性としても、こうしたスムーズなGにつながる車両特性というのがある事がわかったんだそうです。

実際にこの考え方を最初に投入した、新型プレマシーの開発について、さらに詳しく知りたい人のために以下のような論文も公開されています。

新型プレマシー ダイナミックフィールの統一感

この論文もとても面白く、後半からどのようにプレマシーの味付けをしたか解説している部分を抜粋してみます。

例えば、以下の状況で取得したグラフが幾つか論文中に出ています。

・速度30km/hから減速して交差点に進入
・右折
・再度30km/hまで加速

日常で良くある瞬間ですが、この状況での車の挙動のチューニングを試みたそうです。

ステアリングの操舵角に対するフィードバック力と横G

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この図は、右折でステアリングを切ってさらにステアリングを戻した時のハンドルのフィードバック力を表したものなんだそうです。

左がチューニング前のグラフですが、ステアリングに操舵角に対して結構、フィードバックがガタガタしている事がわかります。
これをステアリングシャフトにラバーカップリングを追加するなどして、右側のようにリニアになるようにチューニングしたそうです。フィードバックがリニアである事で、ドライバー側にもリニアな運転を促す。という効果もあると考えられます。

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このグラフは、ステアリングを切った時の横方向のGのかかり方です。
これも左側がチューニング前ですが、スプリング、ダンパ、スタビライザをいじる事で右側のようなスムーズなGを描くようにチューニングをしたそうです。

アクセルの踏み込みに対する応答

ハンドリングだけでなくアクセルの踏み込みに対する応答も変更しているそうです。
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これは、もう一目瞭然ですが、従来の「踏むとすぐ反応する」という、いかにもスポーティーな特性から、右側のあくまで踏み込み量に対してリニアなGが得られるような特性に変更されています。

全体としてのGの動きの改善

これらのチューニングを重ねる事で、結果として、全体の動きとしてどうなったかというと・・・以下は、車のGの動きを示す「G-Gダイアグラム」と呼ばれるものです。
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左のようなガタガタだったGの動きが、右側のような円形に近いGの動きに改善したそうです。

理論上はこうでも実際にドライバーが実感できなければ意味がないのですが、管理人も新型デミオを借りて、600kmほどドライブしてみましたが、やはり「気持ちいい」「普通の車と何か違う」と感じる事ができました。

「統一感のある走り」は、同時に急激なGの立ち上がりを抑制する方向の話なので、これまでのスポーツカーのイメージとは相反するものなのですが、実際のってみると「自分が運転している」感が伝わってきて、それが「気持ちよく」感じます。
この味付けには、採用されるまではマツダ社内で議論があったと各種媒体で伝えられています。
一見、相反するような気もするのですが、「運転する楽しさ」という点では、スポーツカーの「走る歓び」ともつながっている所があり、単純に相反するものでは無いんだなぁ。。というのが管理人の現在の感想です。

但し、ある程度の距離を乗ってみないと感じにくいものではあると思うので、短時間しか試乗できない一般の顧客に対して中々訴求力は出しにくいとは思います。
マスコミの試乗レポートなどを見ると、この辺りのこだわりをきちんと評価しているものもあるので、そう言った所からマツダ車の良さが広がっていけばよいなぁ。と管理人は思ったり。

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