RX-9 の 16X ロータリーエンジンは、レーザー・イグニッション・システムを採用か?
投稿日:2011年07月05日
イギリスの Autocar 誌で、次期ロータリーエンジンは、レーザー・イグニッションシステムを採用するかも。という報道がされています。
以下は、6/27日の AUTOCAR 誌の記事で、マツダのエンジニアの話として、”特別な種類のイグニッションシステムを採用する”と報道されています。
Mazda’s radical new rotary tech – Autocar.co.uk
その”特別なイグニッション・システム”とは、レーザーを使った、イグニッション・システムとされています。
ロータリー・エンジンへのレーザー・イグニッション・システムの採用の可能性は、そのエンジニアによると「absolutely possible」だそうです。(すごく可能性があるよ。よりもうちょっと強い感じですかね・・)
いづれにしても確定はしてない。という事では無いかと私は解釈しましたが・・・
レーザー・イグニッション?
少し調べてみたのですが、過去にレーザー・イグニッションについて触れた記事で、マツダとも関係の深いフォードが採用しようとしているという記事を見つけました。
Ford to replace spark plugs with a laser ignition system – 4wheelsnews.com
さらに、この記事の元記事はというと、イギリスの新聞、「テレグラフ誌」の、フォードがスパーク・プラグをレーザー・イグニッションに置き換えるとの報道が元であるとしています。
それによると、フォードのエンジニアが、リバプール大学の科学者とレーザー・イグニッションに関する特許を取った事が記載されています。
イギリスのリバプール大学の筋でしかもフォード。という事で、次期ロータリーのレーザー・イグニッションの話がイギリスの Autocar から出てきたという事なのかな・・・・
ロータリーへの採用はともかく、そのレーザー点火システムですが、記事によると・・・
- スパーク・プラグは、点火に失敗する事もあるが、レーザー・システムは、もっと信頼性の高い点火ができる。
- プロジェクト・リーダーの、トム・シェントン(Tom Shenton) さんによると、レーザー・システムは、一カ所の点火ポイントだけでなく、ビームを分けて複数の箇所の点火を行う事ができる。
- エミッションを減らし少ない燃料で点火できる。
- レーザー・システムは、スパーク・プラグより少ないパワーで稼働する。
- 研究者によると、1秒間に50回以上の点火ができ、3000RPMを出せる。
- シリンダー内から反射で返ってくるレーザーを分析する事で、使われている燃料の量や、点火の状態など、様々な情報を得る事ができる。
- それらの情報を、エアーや燃料の量に反映させる事で、パフォーマンスを最適化できる。
等のメリットがあるようです。
記事に出ている 3000rpm という回転速度は低いように思えますが、理論的には良いことづくめに見えます。
リバプール大のこの研究に関する紹介記事を見つけたので追記しておきます。
New way to get that vital spark – University of Liverpool
実用化の技術はどこまで進んでいるのか・・というと、実車や実験車が存在しているわけでは無く、まだ学会の発表レベルであるようです。
以下の記事は、日本の岡崎市にある分子化学研究所とトヨタの子会社であるデンソーの共同研究についての今年の5月の記事です。
Laser Weekly | Laser Powered Car Engines
記事によると、開発されたセラミック・レーザーによるシステムは、エンジン・ブロック内に収まる程のものとされています。
デンソーによると、まだ燃費へのインパクトや価格などについては、研究段階のため明らかにできないそうです。
こういった未来の技術を投入して SKYACTIV-RE としてロータリーが復活してくれる事をマツダファンとしては願わんばかりです。