ぐぐぅ。走行中にエンジンの警告灯が付く・・・診断結果はイグニッション・コイルの故障。
投稿日:2011年09月30日
先日、冷却水の警告灯が走行中に付くという経験をしたばかりなのですが、今度は、RX-8のエンジンの警告灯が点灯するようになりました。。_| ̄|○
ディーラーに持って行こうと思ったのですが、「今後、こういう事は増えるだろうな・・・」という事で、自分で診断してみるために道具を一式揃えてみました。
実は、それが先日、別記事でご紹介したもので、「TORQUE Pro? ODB II ?」と言う方は、過去記事をご参照下さい。
【MFC】「TORQUE Pro」とODB II アダプターを Bluetooth 接続して車の状態を確認してみよう
購入した「TORQUE」というアプリと、OBD IIアダプターで、DTC(診断トラブルコード)を見てみると・・・
「P0352 – Powertrain Ignition Coil “B” Primary/Secondary Circuit」とあります。
この「P0352」というコード自体は、OBD II という規格で決まっているので、車種問わず共通のコードになります。
表示された診断コードをタップして・・・
出てくるポップアップウィンドウの「Web lookup」をクリックします。
すると、こんな風にエラーコードの詳細を教えてくれます。
DTC自体は、汎用の規格なので普通にネットで検索しても同様の情報がでてきます。
DTC P0352 Ignition Coil B Primary/Secondary Circuit Malfunction
ここの解説によると・・
最近のエンジンには、COP (Coil on plug プラグの上にコイルを載せた)イグニッションシステムが採用されています。個々のシリンダーには、PCM(Powertrain Control Module) でコントロールされる個別のコイルがあります。COP(プラグの真上にコイルを配置)にする事で、コイルからスパーク・プラグへの配線を無くすことができます。コイルには、2本の配線がそれぞれつながります。一つは、パワー・ディストリビューターから供給されるバッテリー電源。もう一つは、PCMからのコイル駆動回路です。PCMの接地/非接地で、コイルがオン/オフされます。コイル駆動回路は、PCMによって監視されています。
もし、コイルNo.2用の駆動回路で、回路の切断やショートが検知された場合、P0352がセットされます。また、車種によっては、PCMが該当するシリンダーへの燃料噴射を行わなくする場合があります。
この近辺の DTCの番号は似通っていて、以下の様になっていました。
P0351 | IGNITION COIL ”A” PRIMARY/SECONDARY CIRCUIT |
P0352 | IGNITION COIL ”B” PRIMARY/SECONDARY CIRCUIT |
P0353 | IGNITION COIL ”C” PRIMARY/SECONDARY CIRCUIT |
P0354 | IGNITION COIL ”D” PRIMARY/SECONDARY CIRCUIT |
P0355 | IGNITION COIL ”E” PRIMARY/SECONDARY CIRCUIT |
P0356 | IGNITION COIL ”F” PRIMARY/SECONDARY CIRCUIT |
・・・ | |
P0362 | IGNITION COIL ”L” PRIMARY/SECONDARY CIRCUIT |
Aの場合は、No.1番、Bの場合は No.2番・・・と不良のコイルの場所が変わる度に、DTCの番号が上がっていくようです。
1つのシリンダーに付き、1つの診断コードで、現在は、”L”までコードが用意されているようなので、12気筒エンジンまで対応できそうです。
RX-8の場合は、2ロータリーなのですが、一つのシリンダー(ローター)毎に2本プラグがあるので、合計で4本プラグ(コイル)があります。そのため RX-8で出てくる、このエラーと同等の診断トラブルコードは、P0351/P0352/P0353/P0354 の4つになります。
イグニッション・コイルの構造は?
故障ついでに、イグニッション・コイルの仕組みを書いた(これは6気筒の別車種のものですが)回路図がネットにあったので、少し勉強してみます。
図では一番上のイグニッション・コイルだけが内部図が書かれていますが、ECM(RX-8では、PCMと呼ばれています。) からの電気信号で、トランジスタ
のスイッチがONになり、
コイルの左側に電流が流れて
右側のコイルに、コイルの巻数に比例した誘起電力が発生しスパークする。という事みたいです。
半導体に馴染みが無い方は、
なぜ、これが「ON」なの?と思ってしまうかもしれませんが、簡単に解説すると | の部分は絶縁体です。
絶縁体である | の左側の部分に電圧をかける(電子を不足させて+に帯電させる)と、通常電気を通さない右側の半導体部分 (←このとがった部分)に電気が通りやすくなる=回路がつながる。という仕組みになっています。
静電気で電子が集まるように、絶縁体を挟んだ左側が+に帯電すると、絶縁体の右側にも電子が集まりその部分の電気が通りやすくなる。そんな感じです。(この説明であってるかな。。。)
さらにこちらの絵がどうやって故障を検知しているかの図です。他車の資料から引っ張ってきていますが、恐らくどの車も同じだろう。言う事で読み解いてみます。
IGT (Ignition Timing) 信号をイグニッションコイルに送り、IGF(Iginition Feedback) の信号を観察しているようです。
下の方に波形が3つありますが、一番上の IGT (ON信号。トランジスタに電圧をかける)に反応して「Normal」のIGF信号はマイナス側にシグナルが振れています。
ECMからの信号で、トランジスタがONになると、コイルの1次側の回路がアースに接続され0Vになるので、それをモニタリングしているようです。
一方で、「Malfunction (不良)」の波形は、途中からIGFの電圧が、IGT(トランジスタON信号)に対して反応しない(つまりコイルの1次側の電圧がアースに接続されない)事を示しています。トランジスタのスイッチに不良があるか、バッテリー~アースに行くまでのラインで接触不良があるとこのような状況になりそうです。
ふむふむ。理解すると意外と簡単ですね。
イグニッション・コイルでは、PCMからのON/OFF信号を受け取るトランジスタスイッチの部分が熱に弱くよ壊れやすいようです。
今回は、2番目だけがおかしいという事なので、2番目のイグニッション・コイルだけ変更してあげれば良いかもしれませんが、RX-8のよくある不具合の一つで、全数交換が定番なので全数交換する予定です。
(現在、部品を調達中です)
追記:イグニッション・コイルの購入記を書きました。
イグニッション・コイルを個人輸入してみる | Mazda Fan Community (MFC) – マツダ・ファン・コミュニティ