マツダ・デミオ用SKYACTIV-G 1.3L エンジンが公開 !!
投稿日:2011年05月18日
これまで、SKYACTIV-G エンジンは、2L のものしか発表されていなかったのですが、そろそろ発売されるという SKYACTIV デミオに搭載される 1.3 Lの SKYACTIV-G エンジンが公開されました。
『SKYACTIV-G 1.3』は、レギュラーガソリンを燃料として、圧縮比14.0と高圧縮率を達成した直噴エンジンだそうです。北米で発表された2011年モデルのMazda 3(アクセラ)用のSKYACTIV-G 2.0Lは、圧縮比12.0 だったので、SKYACTIV 技術で宣伝されていた14.0という圧縮比は、まずはデミオで達成されるようです。
特に低回転高負荷領域での高い効率性を実現したとされ、「高圧縮エンジンに不可避とされているノッキングを防ぐため、理想的な燃焼室形状をつくるキャビティ(くぼみ)つきピストンや、緻密(ちみつ)な燃料噴射制御を行うマルチホールインジェクターなどの新技術を採用」とあります。
コンパクトカーのエンジンに、ここまで細かい技術を投入するというのも何だかワクワクします。
このエンジンは、2011年前半に発売予定の「マツダ デミオ」に搭載され、アイドリングストップ技術「i- stop(アイ・ストップ)」やCVTと組み合わせて30km/L(10・15モード)を達成するようです。
また、発表では、排気系以外のスカイアクティブ・テクノロジーは全て取り入れた。とあるので、「4-2-1排気システム」については、これまでもスペースの都合で既存のシャシーでは難しいだろうと噂されていましたが、デミオには取り入れられなかったように読めます。
「スカイアクティブ テクノロジー」は、車両の走行性能と環境・安全性能を飛躍的に向上させる、マツダの新世代のエンジン(ガソリン、ディーゼル)、トランスミッション、ボディ、シャシーなどの技術の総称です。今回、『SKYACTIV-G 1.3』では、排気系以外の「スカイアクティブ テクノロジー」のエンジン技術はすべて採用し、「クールドEGRシステム」*などのデミオ専用の新技術を取り入れています。
一方で、「クールドEGRシステム」と呼ばれる、排気ガスを再循環させて燃焼室に送り込むシステムを新たに追加されています。
既存の 1.3 L CVTエンジンと比較してみると・・
排気量 | 最高出力(ネット) | 最大トルク(ネット) | 10・15モード燃費 | |
現行デミオ 1.3L CVT | 1,348cc | 66kW/6,000rpm(90PS/6,000rpm) | 120Nm/4,000rpm (12.2kgf/m/4,000rpm) |
23.0Km/L |
SKYACTIV-G 1.3L(CVT) | 1,298cc | 62kW/5,400rpm(84PS/5,400rpm) | 112Nm/4,000rpm | 30.0Km/L |
現行1.3L/CVTとの比較 | ダウン↓ | ダウン↓ | ダウン↓ | アップ↑ |
燃費は大きく改善しているのですが、 排気量、出力、トルク全てにおいて下がっています。
個人的には排気量が 50cc 減少しているのが意外でした。また、最高出力は、僅かに下がっているもののピークの回転数が下がっているので、扱いやすくなっているのかも知れません。
いづれにしても出力・トルクカーブがわからないので、このデータだけだと何とも言えず、このエンジンの性能を推測するにはさらに新しい情報待つ必要がありそうです。
このエンジンは、5/20(金)まで、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催展「人とくるまのテクノロジー展2011」に、このエンジンを出展するそうです。
SKYACTIV-G 1.3 の特徴
- 圧縮比14.0を世界で初めて達成する、効率の良い自動車用ガソリンエンジン
- マルチホールインジェクターによる緻密な燃料噴射制御を行い、理想的な燃焼を実現
- マツダ初の「デュアルS-VT」(可変バルブタイミング機構:吸気側電動式)と高圧縮比との組み合わせによって、従来にないミラーサイクル化(吸気バルブの超遅閉じ)を実現して効率を向上
- ロングストローク化したコンパクトな燃焼室設計によって効率を向上
- 理想的な燃焼室形状をつくるキャビティ(くぼみ)付きピストンを採用
- クランクシャフトの細径化や新型動弁機構(ローラーフォロワー)、オイル消費量を低減しながら採用した低張力リングなどにより、機械抵抗を30%低減
- 「クールドEGRシステム」の採用をはじめ各種の徹底したノッキング対策を実施
- アイドリングストップ機構「i-stop」の作動頻度を向上し、さらに再始動時の燃料噴射量を低減して燃費性能を8%向上。よりスムーズな再始動が可能
- 軽量・高剛性のアルミ合金製エンジンブロックを採用
SKYACTIV-G 1.3 の主要諸元
- 直列4気筒1.3L直噴ガソリンエンジン(i-stop付)
- 排気量:1.298L
- ボアxストローク:71.0mm x 82.0mm
- 圧縮比:14.0
- 最高出力(ネット):62kW/5,400rpm(84PS/5,400rpm)
- 最大トルク(ネット):112Nm/4,000rpm
ソース:【MAZDA】マツダ、高効率直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.3」を開発|ニュースリリース