マツダ財団 2012年度の研究助成先を決定
投稿日:2012年10月04日
マツダ財団が、2012年度の研究助成を決定しました。
全国の大学・研究機関からの応募を受け付け、その中から「科学技術振興関係」として24件に2,800万円、「青少年健全育成関係」として5件に400万円の助成を決定しました。合計で29件の研究に対して3,200万円の研究支援となるそうです。
科学技術振興関係の研究助成は、次世代を担う若手研究者や未来の種となるような研究に優先的に助成しているそうです。
ちょっと調べてみたのですが、、「絶縁体熱電材料の開拓と高効率熱-スピン流変換機能の創出」(東北大学)の内田 健一さんは、とっても若い方だったりします。
【インタビュー】第1回日本学術振興会「育志賞」受賞者の内田健一さん(東北大学金属材料研究所、博士2年生)に聞く/科学って、そもそもなんだろう?|宮城の新聞
今回、40歳以下の若手研究者への助成割合は83%となっているそうです。
また、マツダ財団では、科学技術の研究だけでなく青少年の健全育成に対する研究に対しても、助成を行っているそうです。「万引き防止教育プログラムの開発および効果の検証」という研究にも助成していますが、そういう研究もあるんですね・・・
マツダ財団が助成を決めた、研究の一覧は以下になります。
第28回 (2012年度)マツダ研究助成一覧-科学技術振興関係-
研 究 題 目 および 研 究 概 要 | 研 究 代 表 者 (*役職は応募時) |
助成金額 (万円) |
金属を複合担持することで可視光を幅広く吸収するようにして反応性を高めた光触媒によるCO2からのH2製造 | 西村 顕 三重大学 大学院工学研究科助教 |
110 |
プラスチック光ファイバ中のブリルアン散乱を用いた安心・安全のための分布型歪・温度センサの開発 | 水野 洋輔 東京工業大学 精密工学研究所助教 |
115 |
絶縁体熱電材料の開拓と高効率熱-スピン流変換機能の創出 | 内田 健一 東北大学 金属材料研究所助教 |
200 |
窒化炭素等価体としての水溶性高分子材料の開発 | 田中 一生 京都大学 大学院工学研究科助教 |
100 |
情報伝送機能を備えた小型・高効率な経皮エネルギー伝送システムの研究開発 | 山本 隆彦 東京理科大学 理工学部助教 |
110 |
フロントガラスへの応用を指向した無反射構造のトポロジー最適設計法の開発 | 藤井 雅留太 秋田県立大学 システム科学技術学部助教 |
110 |
光発生型pn 接合を構成する新奇有機材料の開発 | 森末 光彦 京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科助教 |
100 |
形状記憶ポリマーの温度による剛性変化を利用したロボットの姿勢維持機構に関する研究 | 高嶋 一登 九州工業大学 大学院生命体工学研究科准教授 |
115 |
幅広い波長域の光捕集力を有する新規ドナー・アクセプター型高分子の開発 | 今榮 一郎 広島大学 大学院工学研究院准教授 |
100 |
鉄酸化物のナノ構造の作製 | 高橋 竜太 東京大学 物性研究所助教 |
120 |
プログラマブル機能分子集積に基づく超高速有機トランジスタの開発 | 安田 琢麿 九州大学 大学院工学研究院准教授 |
100 |
希土類発光体を用いた可視光フルカラーチューニング材料の開発 | 西山 桂 島根大学 教育学部准教授 |
100 |
金属の腐食を防止する超撥水ナノ粒子フィルムの創成 | 荻原 仁志 東京工業大学 大学院理工学研究科助教 |
100 |
励起光照射によるマイクロ波帯誘電率に関する基礎物性調査及びこの現象を用いた超高速チューナブルフィルタへの応用研究 | 齊藤 敦 山形大学 大学院理工学研究科准教授 |
100 |
医療・バイオ応用を目指した発振回路応用型超高解像度インピーダンスプローブの研究 | 外谷 昭洋 呉工業高等専門学校 助教 |
100 |
数値シミュレーション技術の信頼性評価法の確立 | 岩佐 貴史 鳥取大学 工学研究科准教授 |
100 |
並列ディジタルホログラフィに基づく高精度高速度3次元動画像その場計測装置の開発 | 角江 崇 千葉大学 大学院工学研究科助教 |
150 |
高温超伝導体を用いたミリワットレベルのテラヘルツ波発振素子の開発 | 柏木 隆成 筑波大学 数理物質系助教 |
100 |
外部刺激に応答して伸縮する水素結合駆動型分子集合体の創製 | 高須 清誠 京都大学 大学院薬学研究科教授 |
135 |
電気化学反応によって発光・発色を制御する新規デュアルモードディスプレイ材料の創製 | 中村 一希 千葉大学 大学院融合科学研究科助教 |
160 |
受動歩行に基づく弾性要素とハイブリッドダイナミクスを利用した省エネルギー脚式移動機械の設計 | 成川 輝真 埼玉大学 大学院理工学研究科助教 |
120 |
受動操作に着目したステアリング操作における上肢運動制御則の解明と操作感設計論の確立 | 田中 由浩 名古屋工業大学 大学院工学研究科助教 |
130 |
水素終端ダイヤモンド表面の超高濃度正孔キャリア生成を伴う窒素酸化物等の還元分解現象の解明と大気汚染物質検知技術・無害化技術への応用 | 嘉数 誠 佐賀大学 大学院工学系研究科教授 |
125 |
テラヘルツ帯超低雑音動作を目指した新奇構造を有する窒化ニオブ系超伝導ヘテロダインミキサーの開発 | 武田 正典 静岡大学 創造科学技術大学院講師 |
100 |
合 計 24件 | 2,800 |
第28回(2012年度)マツダ研究助成一覧 -青少年健全育成関係
研 究 題 目 および 研 究 概 要 | 研 究 代 表 者 (*役職は応募時) |
助成金額 (万円) |
|||||||||||||||||||||||||||
万引き防止教育プログラムの開発および効果の検証 | 大久保 智生 香川大学 教育学部准教授 |
70 | |||||||||||||||||||||||||||
本研究では、中学生とその保護者を対象とした万引き防止教育プログラムを開発し、その効果について検証する。香川県は2009年まで万引きの認知件数が全国ワースト1位であり、世代別では青少年、特に中学生の万引きが最も多いことが明らかになっている。そこで、これまで行ってきた研究成果をもとに、中学生の万引きに対する意識が向上する万引き防止教育プログラムと保護者の万引きに対する意識が向上する万引き防止教育プログラムを開発し、プログラム実施による中学生と保護者の意識の変化について検討を行う。 | 青年期女性の”適切ではない自己表現”に関する研究 -学生相談における自傷関連行動への理解と支援- |
吉村 麻奈美 津田塾大学 学芸学部講師 |
80 | 青年期女性における自傷行為(リストカット、過食等)をはじめとする幾つかの行動は、しばしば問題として捉えられ、関係者が対応に苦慮する場面も多い。本研究では、従来はそのように問題行動として扱われていた一群を“適切ではない自己表現”として新たな括りで捉え直し、その背景や現代性を詳らかにすることによって、新たな知見を得ることを目指す。また、学生相談における実践データを通してより理解を深め、より健康的な自己表現を促せるような支援への示唆を得ることで、青少年の健全育成への寄与を目指す。 | 家庭における科学教育推進のための保護者参加型教室プログラムの開発と評価 | 山中 仁昭 広島国際大学 工学部助教 |
90 | 昨今、子供の理科離れを背景に、様々な科学体験教室が開催されている。このような科学体験教室は子供の科学に対する学習意欲を向上する上で大きな効果があると考えられる。しかしながら、その場限りの体験に終わってしまってはその効果も半減する。本研究では、まず、科学体験教室後の持続的なフォローが大切であることを出発点に、家庭での学習に注目し、保護者参加型の科学体験教室を提案する。続いて、提案した内容を本学での科学体験教室に実践的に導入し、このような家庭と連携した科学体験教室の在り方について評価・検証する。 | 社会教育領域における長期の青少年健全育成事業に特有の教育力に関する研究 | 立石 麻衣子 NPO法人北摂こども文化協会 日本こども未来研究所 主任研究員 |
90 | 本研究は、NPO法人北摂こども文化協会が手掛ける社会教育実践「ひと山まるごとプレイパーク」の分析を通して、社会教育の領域における青少年健全育成事業に見られる特有の教育力を特定する。研究対象となる実践の特徴は、第一に10年を超えて続く長期の蓄積があること、第二に、プログラム提供型ではなく子どもの自発性を尊重した活動を徹底していること、第三に、異世代交流型の直接自然体験活動であることが挙げられる。幼児だった子が小学校を卒業するまでという時間軸の中で、子どもの育ちを捉える。 | 糸島地区における学生と地域の連携による空き家活用に関する実証的研究 | 横田 雅紀 九州大学 大学院工学研究院助教 |
70 | 2005年に九州大学が移転を開始した糸島地区では、学研都市化を推進する一方で急増する空き家が問題となっている。このような背景を受けて本研究では、地域と学生の連携に向け、糸島の空き家を学生活動の場として利活用することを試みる。具体的には学生と地域ボランティアで協力して空き家を「住む」場所としてのシェアハウス、「活動する」場としてのシェアオフィスという2タイプの場として改修し、改修後も学生の発想力で独創的な運営を行うことで、学生の自発的な活動を促進しながら地域と連携する手法を提案する。 | 合 計 5件 | 400 |